法隆寺は推古天皇と聖徳太子が推古15年(607)に本尊「薬師如来」を造られたものだと言われています。
法隆寺・五重塔は約1300年と長い歴史を持ち、日本を代表する木材である『ヒノキ』で造られており、1993年12月に日本で初めて世界文化遺産に登録された世界最古の木造建築群である。また多くの国宝、重要文化財を所蔵しており、仏教文化遺産の宝庫として、古代の香りを今に伝えています。
では、なぜ法隆寺 五重塔は約1,300年もの長い年月、地震に耐えてこれたのでしょうか?
その理由とは、「積み上げ構造」という建築方法であるとされています。つまり五重塔を建てる場合、各重ごとに軸部や軒を組み上げ、それらを鉛筆のキャップを重ねるように順々に積み上げてあるのです。それぞれの部材は主に木材同士の特殊な切り組み方法によって接合されていて、堅固に結合していないため「柔構造」になります。「柔構造」の塔は、コンクリート造りの一体化した「剛構造」と違って、地震が起きても各重が互い違いに振動して「揺れ」を吸収します。また多くの塔の内部に立っている「心柱」は、こうした振動を減衰させる「かんぬき」のような働きをするといわれています。さらに各重の柱が長さの割に太いことや、組物がしっかり組まれ水平に変形しないことも地震に強い要因とされています。
法隆寺 五重塔に見られるような、建物の揺れの効用を認め、その揺れによって地震力を吸収させる「柔構造」の理論は、近年、日本はもちろん世界の超高層建築に採用されています。伝統的な木造建築の知恵が最先端の建築技術に生かされているのです。
それにしても、1,300年も前から法隆寺は、このような建築方法を取り入れて作ったとは、古代人の偉大さには驚かされました。
法隆寺の五重塔に見られるような、建物の揺れの効用を認め、その揺れによって地震力を吸収させる「柔構造」の理論は、近年、日本はもちろん世界の超高層建築に採用されています。
伝統的な木造建築の知恵が最先端の建築技術に生かされているのです。
木に学べ―法隆寺・薬師寺の美など小学館から出版されていますが、この本も参考になります。
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